妊娠中の肌荒れ|初期・中期・産後で見直すスキンケア
妊娠の時期によってよく起こる肌の変化は違います。製品を増やすより、使っていたスキンケアを減らし、成分リストを持って医師に相談しましょう。

このノートで扱うこと全6項目
| 時期 | よく変わること | 出典 |
|---|---|---|
| 妊娠初期(最初の3か月) | ニキビが新しくできた、増えたと感じる人が多い時期です | NHS 111 Wales · 公的機関 |
| 妊娠中期以降 | 肝斑の多くは妊娠中や経口避妊薬を飲み始めたあとにでき、日光で濃くなります(「中期」という時期分けは編集部の目安) | 大韓皮膚科学会 · 学会 |
| おなかが大きくなる時期 | おなか・胸の妊娠線(肉割れ)が観察の対象になります | 1991 PMID 19291041 · A |
| 産後・授乳期 | 残った肝斑や妊娠線は写真で経過を見ます | 2022 PMID 35570397 · A |
ここでは、英国の公的医療サービスであるNHS 111 Walesと、韓国の皮膚科専門医の学会である大韓皮膚科学会の資料を参照しています。
妊娠初期に肌トラブルが増えたら、まず何を減らす?
塗るアイテムの数を減らし、レチノール・レチナールのようにレチノイド系の表示がある製品は、使う前に産婦人科に確認します。ここでは安全か危険かを決めつけず、全成分表示の写真を集めて相談のときに見せることが、この時期にすることです。

中期に出てくる肝斑、アロエジェルで乗り切れる?
大韓皮膚科学会は、肝斑の多くが妊娠中や経口避妊薬を飲み始めたあとにでき、夏に濃くなると説明しているので、朝の最後の工程の日焼け止めと、日差しを浴びた時間の記録が先です。妊婦180人をグループに分けたアロエの研究はありますが、リポソームという特殊な形状だったため、家にあるアロエジェルに当てはめることはできません。

産後の授乳中は、何を戻していく?
授乳中も、新しい成分は相談したうえで1つずつ取り入れます。残った肝斑や妊娠線は、同じ照明で月に1回写真を撮っておくと、受診のときに変化を説明しやすくなります。
時期別・スキンケアの見直し表
| 時期 | 減らす・休むもの | 続けるもの | 相談に持っていくもの |
|---|---|---|---|
| 妊娠がわかった直後 | レチノイド表示のある製品、新しい製品をまとめて追加すること | やさしい洗顔・保湿 | 使っていた製品の全成分表示の写真、飲んでいる薬のリスト |
| 中期 | 日差しの下に長くいること | 日焼け止め | 肝斑が濃くなった月・場所 |
| 後期 | 香りの強いボディ製品をいくつも重ねること | おなか・胸の保湿 | 妊娠線に気づいた妊娠週数 |
| 産後・授乳期 | いくつもの成分を一度に再開すること | 1つずつ戻していくこと | 月1回の写真、授乳しているかどうか |

医師に相談したほうがいいのはどんなとき?
- 押すと痛いしこりが増える、または傷あとが残りはじめたときは、皮膚科に妊娠週数を伝えて受診してください。
- ニキビの飲み薬を飲んでいる途中で妊娠がわかったら、すぐに処方を受けた医療機関に連絡してください。
- 産後数か月たっても肝斑・妊娠線が変わらないなら、皮膚科医にどんな選択肢があるか相談してみましょう。
この記事の根拠をひとことで
- 妊婦80人をグループに分けた1991年の二重盲検試験(PMID 19291041)では、ツボクサエキスを含む複合クリームの群で妊娠線ができたのは34%、プラセボ群では56%でした。
- 妊娠中に肝斑のある女性180人の2017年の試験(PMID 28139161)では、5週間後の肝斑のスコアがリポソーム型アロエの群で32%、通常のアロエの群で10%よくなりました。
- 妊娠線のある女性64人の2022年の試験(PMID 35570397)では、レーザーを併用した群がもっともよくなり、ベータグルカン単独はわずかな変化にとどまりました。
よくある質問
妊娠中や産後に肌荒れしたらどうすればいい?
新しい製品を一度にいくつも取り入れず、肌トラブルが増えた妊娠週数と場所、そのとき使っていた製品を書いておきましょう。英国の公的医療サービスNHS 111 Walesは、妊娠中のニキビはたいてい最初の3か月に現れると説明しています。この記録と全成分表示の写真を産婦人科や皮膚科の相談に持っていくと、何をやめるか決めやすくなります。
妊娠中・授乳中でもPDRN配合の化粧品を使っていい?
妊娠中や授乳中の人がPDRN配合の化粧品を使った結果を調べた研究は、この記事で確認した根拠の中にはありません。大丈夫とも危ないとも言える資料がないため、使っていた製品なら全成分表示を見せて、まず産婦人科に聞いてください。
妊娠中・授乳中・10代でもニキビの薬を使っていい?
ニキビの薬を使うかどうかは、必ず処方する医師と相談して決めることです。妊娠の前後にニキビの飲み薬(イソトレチノイン)にさらされた女性79人を追った2012年の観察研究は、少ない量でもリスクが報告されており注意が必要だとまとめています。なお日本皮膚科学会のガイドラインは、この飲み薬は日本では使用できないとしています。飲んでいる最中に妊娠がわかったら、すぐに処方を受けたところに伝えてください。
出典
- NHS 111 Wales — Health A-Z: Acne (updated 2024-11-07)機関資料
- Korean Dermatological Association — Melasma (Korean)機関資料
- 5-week randomized trial of liposomal aloe vera gel in 180 women with melasma during pregnancy, 2017 (PMID 28139161)A
- Double-blind trial of a cream with Centella asiatica extract and stretch marks in 80 pregnant women, 1991 (PMID 19291041)A
- 12-week randomized trial of beta-glucan with laser in 64 women with pregnancy stretch marks, 2022 (PMID 35570397)A
- Pregnancy outcomes in 79 women exposed to isotretinoin, 2012 (PMID 23116253)B
- 日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」機関資料
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