アゼライン酸の最初の4週間|ヒリヒリ日誌と使う曜日の分け方
アゼライン酸は韓国では化粧品への配合が禁止された成分なので、最初の4週間は医師の指示どおりに使い、ヒリヒリと一緒に使った製品を記録します。

このノートで扱うこと全8項目
| 項目 | 内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 韓国での分類 | 「1,7-ヘプタンジカルボン酸(アゼライン酸)、その塩類および誘導体」は、韓国では化粧品への配合禁止原料です | 韓国食品医薬品安全処 医薬品安全ポータル(2021-08-24)・機関 |
| 日本での位置づけ | 医薬品としては未承認で、化粧品に配合される成分です。ガイドラインでは選択肢の一つ(C1)で、保険適用外です | 日本皮膚科学会 ガイドライン2023・学会 |
| 使われる場面 | 皮膚科の診療で、ニキビに20%のクリームとして使われます | 大韓皮膚科学会(韓国)・学会 |
| 研究で見た期間 | システマティックレビューは、6週間以上使ったランダム化試験43本だけを集めました | 2023 PMID 37550898・A |
| ヒリヒリを記録した前例 | 102名が7日間、顔の左右のヒリヒリ・ほてりの点数を毎日書きました | 2009 PMID 19746764・B |
| 推奨の位置 | 2024年の米国皮膚科学会(AAD)ガイドラインで条件付き推奨に分類されました | 2024 PMID 38300170・A |
アゼライン酸が韓国で禁止されている理由は?
韓国食品医薬品安全処(MFDS)の医薬品安全ポータルにある化粧品の使用制限原料の情報で、「1,7-ヘプタンジカルボン酸(アゼライン酸)、その塩類および誘導体」が韓国の配合禁止原料として載っているためです(基準日2021-08-24)。ただし、この一覧には禁止した理由が書かれていないので、理由を推測して書くことはしません。
そのためこの記事は、アゼライン酸を化粧品のスキンケアに取り入れる方法ではなく、医療機関で処方・指示を受けて使う最初の4週間をどう記録するかを扱います。扱いは国によって違い、日本ではアゼライン酸は医薬品としては承認されておらず、化粧品に配合される成分です。日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では選択肢の一つ(推奨度C1)とされ、保険適用外です。自分の肌に何が必要かは、使い始める前に皮膚科で相談するのが確実です。
アゼライン酸はどんな成分?何からできている?
アゼライン酸は、穀物に自然に含まれるジカルボン酸です。韓国の医薬品安全ポータルの原料情報には、分子式C9H16O4、CAS番号123-99-9と書かれています。
英語名はazelaic acidで、韓国ではいくつかの呼び方がありますが、どれも同じ成分です。成分表示や処方の説明書で名前が違って見えても同じ成分なので、記録表には1つの名前にそろえて書きます。

アゼライン酸20%とは、どんな使われ方をしている?
大韓皮膚科学会は、アゼライン酸は皮膚科の診療でニキビに20%のクリームとして使われ、外用レチノイドより副作用が少ないほうだと説明しています。ニキビ・酒さ・肝斑のランダム化試験43本(酒さ20本、ニキビ16本、肝斑7本)をまとめた2023年のシステマティックレビューも、主に20%の濃度を扱っていました。
15%のジェルの研究もあります。25〜44歳の成人女性40名を6か月追った2024年のランダム化試験では、15%のジェルを1日2回塗り、ジェルのグループの途中脱落率は15%でした。ニキビが落ち着いた成人女性53名がアゼライン酸入りのダーマコスメティックを16週間使った2023年のブラジルの研究もありますが、韓国の化粧品の基準とは別の話です。

最初の4週間、ヒリヒリ日誌はどう書く?
塗った時刻、塗った量、塗って5分後のヒリヒリの点数(0〜10)を毎日1行で書きます。酒さの患者102名が15%のジェルを使いながら7日間、顔の左右のヒリヒリ・ほてりの点数を書いた2009年の研究では、保湿剤を足した側の累積点数のほうが大きく下がりました。
この研究は処方のジェルに保湿剤を足した結果なので、保湿剤だけの働きではありません。それでも日誌に「保湿剤を足した」欄を作っておけば、受診のときにどの日がヒリヒリしにくかったかをすぐに見せられます。軽症〜中等症の酒さの女性40名を調べた2004年の研究では、62.5%が乳酸の刺激試験でほてりを示しましたが、15%のジェルを2週間使ったあとに測った水分の逃げ方(TEWL)と角層の水分量の検査では、バリアが傷ついた兆候は見られませんでした。ヒリヒリがあるというだけでやめるかどうかを決めず、点数が下がっているか上がっているかを見ます。

サリチル酸・レチノールの製品とは、曜日をどう分ける?
曜日の分け方は自分で決めず、処方・指示を受ける日に聞いて書き留めます。2024年の米国皮膚科学会(AAD)のガイドラインは、働き方の違う外用剤を組み合わせることをグッドプラクティスステートメントとしていますが、どの組み合わせをいつ使うかは診療で決める領域です。
診察室で聞くことは3つで十分です。使ってきたサリチル酸入りの化粧水やレチノールの美容液を最初の数週間休むべきか、戻すなら同じ日か別の曜日か、ヒリヒリの点数が何点を超えたら連絡すべきか、です。もらった答えを下の表の「指示された曜日」の欄にそのまま書き写せば、テスト期間の学生や交代勤務の会社員のように生活のリズムが乱れる週でも迷いません。
最初の4週間のヒリヒリ日誌
| 週 | 毎日書くこと | 指示された曜日(例の欄) | 一緒に書くこと | 次の受診で見せること |
|---|---|---|---|---|
| 処方・指示の当日 | 濃度・1日の回数・塗る量 | 手持ちのサリチル酸・レチノール製品を続ける/休む | いま使っている製品の一覧 | — |
| 1週目 | 塗った時刻、5分後のヒリヒリ0〜10点 | アゼライン酸だけを使う曜日 | 保湿剤を足したかどうか | 点数がいちばん高かった日・部分 |
| 2週目 | ヒリヒリの点数、赤くなった部分 | (指示どおりに書く) | 生理前後・残業・日差しを浴びた日 | 1週目より下がったか |
| 3〜4週目 | ヒリヒリの点数、新しいぶつぶつの数 | 手持ちの製品を戻した曜日 | 戻した製品の名前 | 戻した日と戻さなかった日の点数の差 |
点数は毎日同じ時間につけることが大切です。朝と夜を混ぜて書くと、日付ごとの比較がぼやけます。
指示を出した医師や皮膚科に連絡する目安は?
- ヒリヒリの点数が1〜2週間たっても下がらずに上がる、または腫れや水ぶくれが出たときは、使うのをやめて処方・指示をした医療機関に連絡してください。
- 妊娠中または妊娠を考えているなら、使い始める前に皮膚科で相談してください。
- 押すと痛い深いぶつぶつや、傷あとが残る吹き出物が増えるなら、次の受診を早めてください。
- アゼライン酸入りの化粧品をすでに使っていて赤みが引かないなら、その製品をやめて皮膚科を受診してください。
日誌の組み立てに使った資料
- 韓国の医薬品安全ポータル(基準日2021-08-24)は、「1,7-ヘプタンジカルボン酸(アゼライン酸)、その塩類および誘導体」を韓国の化粧品配合禁止原料に分類しています。
- ランダム化試験43本をまとめた2023年のシステマティックレビュー(PMID 37550898)は、酒さ20本・ニキビ16本・肝斑7本を検討し、大半が20%の濃度・6週間以上の使用の研究でした。
- 酒さの患者102名を調べた2009年の研究(PMID 19746764)では、15%のジェルに保湿剤を足した側の顔のヒリヒリ・ほてりの累積点数が、7日間でより大きく下がりました。
よくある質問
アゼライン酸が韓国で禁止されている理由は?
韓国食品医薬品安全処(MFDS)の医薬品安全ポータルにある化粧品の使用制限原料の情報で、「1,7-ヘプタンジカルボン酸(アゼライン酸)、その塩類および誘導体」が韓国の配合禁止原料として載っています(基準日2021-08-24)。この一覧には禁止の理由は書かれていません。韓国では皮膚科の診療で使われる成分と考え、必要なら処方を相談するのが正確です。なお日本では、アゼライン酸は医薬品としては承認されておらず、化粧品に配合される成分です。
アゼライン酸20%とはどんな成分?
大韓皮膚科学会(韓国の皮膚科学会)は、アゼライン酸は皮膚科の診療でニキビに20%のクリームとして使われると説明しています。ランダム化試験43本をまとめた2023年のシステマティックレビューも、大半が20%の剤形を扱っていました。濃度と回数は、指示を出した医療機関の案内に従ってください。
アゼライン酸は何からできている成分?
アゼライン酸は穀物に自然に含まれるジカルボン酸(分子式C9H16O4)です。英語名はazelaic acidで、韓国ではいくつかの呼び方がありますが、どれも同じ成分を指します。
出典
- Korea's Ministry of Food and Drug Safety drug safety portal — Restricted cosmetic ingredients: 1,7-heptanedicarboxylic acid (azelaic acid), its salts and derivatives (reference date 2021-08-24) (Korean)機関資料
- Korean Dermatological Association — Acne vulgaris (Korean)機関資料
- Azelaic acid for acne, rosacea and melasma: systematic review, 2023 (PMID 37550898)A
- American Academy of Dermatology guidelines of care for the management of acne, 2024 (PMID 38300170)A
- Quality of life with azelaic acid 15% gel vs. an oral medicine in adult female acne, 2024 (PMID 39444646)A
- Myrtle extract and azelaic acid dermocosmetic in the maintenance phase of adult female acne, 2023 (PMID 36729399)A
- Adding a moisturizer during azelaic acid 15% gel use and symptom scores, 2009 (PMID 19746764)B
- Azelaic acid 15% gel use and sensory irritation in 40 women with rosacea, 2004 (PMID 15551720)B
- 日本皮膚科学会 — 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023(日皮会誌 133(3):407-450)機関資料
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